N分N乗方式 税額シミュレーター
世帯の年収と子どもの人数を入れるだけで、世帯所得を人数で割って累進課税する「N分N乗方式」の所得税額をその場で概算。 現行の通常方式(世帯所得を合算してそのまま課税)との差額も併記するので、軽減効果が一目で分かります。
つまり:世帯課税所得389万円を4人で分けてから累進税率をかけるN分N乗方式では、所得税は年およそ19万4,400円。世帯所得をそのまま課税する通常方式(35万500円)より約15万6,100円軽くなる計算です。
くわしい計算の内訳(参考)
| 世帯年収(額面合計) | 8,000,000 円 |
|---|---|
| 給与所得(控除後)(各人ごとに給与所得控除を差引) | 5,650,000 円 |
| − 社会保険料控除(世帯年収の約16%・概算) | 1,280,000 円 |
| − 基礎控除 | 480,000 円 |
| 世帯課税所得 | 3,890,000 円 |
| ÷ N分の課税所得(課税所得 ÷ 4人) | 972,000 円 |
| N分の所得税(速算表を適用した1人分) | 48,600 円 |
| N分N乗方式の所得税(× 4) | 194,400 円 |
| 通常方式の所得税(世帯課税所得にそのまま課税) | 350,500 円 |
| 軽減額(通常方式 − N分N乗) | 156,100 円 |
| N分N乗方式の実効税率(対 課税所得) | 5.0% |
※ 本ツールは概算です。社会保険料を世帯年収の16%で見積もり、基礎控除48万円・給与所得控除のみを反映した簡易モデルで、配偶者控除・扶養控除・各種所得控除・復興特別所得税(2.1%)・住民税は含みません。 N分N乗方式は日本では現行制度として導入されていません(制度導入時の税額とは異なる場合があります)。実際の税額は国税庁の速算表や税理士にご確認ください。
世帯モデル別「N分N乗方式の所得税額」早見表(概算)
いくつかの世帯モデルで、N分N乗方式の所得税額と、通常方式(合算課税)の所得税額・その差額(軽減額)を並べたものです。 子どもが多く世帯所得が高いほど、分割の効果が大きく出やすいことが分かります。
| 世帯モデル | N | N分N乗方式 | 通常方式 | 軽減額 |
|---|---|---|---|---|
| 片働き 年収500万・子0 | 2 | 11万4,000円 | 13万500円 | 1万6,500円 |
| 片働き 年収700万・子2 | 4 | 18万円 | 29万2,500円 | 11万2,500円 |
| 片働き 年収1000万・子2 | 4 | 29万8,400円 | 76万6,500円 | 46万8,100円 |
| 共働き 各500万・子2 | 4 | 25万2,000円 | 58万500円 | 32万8,500円 |
| 片働き 年収1500万・子3 | 5 | 52万9,500円 | 182万100円 | 129万600円 |
※ 概算。社会保険料は世帯年収の16%、控除は給与所得控除+基礎控除48万円のみ。住民税・復興特別所得税・各種控除は含みません。
N分N乗方式の仕組み
日本の所得税は累進課税で、課税所得が大きいほど高い税率がかかります(5%〜45%の7段階)。 世帯の所得をそのまま1人分として課税すると、高い税率帯に届きやすくなります。
N分N乗方式は、この累進の性質を世帯で分け合う考え方です。手順は次の通りです。
計算の流れ
- ① 世帯課税所得を出す:各人の年収から給与所得控除を引いて合算し、社会保険料控除(概算で世帯年収の16%)と基礎控除48万円を差し引きます。
- ② Nで割る:世帯課税所得を分割数 N(=大人2人+子どもの人数)で割り、「1人あたり課税所得」を出します。
- ③ 税率をかける:1人あたり課税所得に累進税率(速算表)をかけ、1人分の税額を出します。
- ④ Nを掛け戻す:1人分の税額をN倍して、世帯の所得税額にします。
なぜ税額が下がるのか
所得を分割すると、1人あたりの課税所得が小さくなり、より低い税率帯(たとえば20%ではなく10%)で計算できるようになります。 そのため、世帯所得が同じでも、合算してそのまま課税する通常方式より税額が下がりやすくなります。 世帯所得が高く、子ども(N)が多いほど効果が大きく出ます。
注意点
- 日本では未導入:日本の所得税は個人単位の課税で、N分N乗方式は現行制度ではありません。本ツールは「もし導入されたら」を概算する試算です。
- 共働きには効果が小さい:もともと夫婦それぞれが個別に課税されている共働き世帯では、分割によるメリットは片働き世帯ほど大きくなりません。
- あくまで概算:各種控除・住民税・復興特別所得税は含みません。実額は条件で前後します。
よくある質問
- N分N乗方式とは何ですか?
- 世帯の所得税をまとめて計算するときに、世帯の課税所得をいったん家族の人数(N)で割り、その「1人あたり所得」に累進税率をかけて出した税額を、最後にもう一度N倍する方式です。フランスなどが採用しています。累進課税は所得が低いほど税率が下がるため、所得を分割するほど低い税率帯を使え、同じ世帯所得でも合算してそのまま課税する通常方式より税額が下がりやすくなります。
- Nはどう数えますか?
- 本ツールでは参考サイトに合わせ、N=大人2人(夫婦)+子どもの人数としています。たとえば夫婦と子ども2人ならN=4です。実際の制度設計では子どもを0.5人分として数えるなど、Nの数え方は制度によって異なります。
- 日本でも使えますか?
- いいえ。日本の所得税は個人単位の課税で、N分N乗方式は現行制度として導入されていません。少子化対策の文脈で導入が議論されることはありますが、2026年時点では制度化されていません。本ツールは「もし導入されたら」を概算でイメージするための試算ツールです。
- この試算はどこまで正確ですか?
- 概算です。社会保険料を世帯年収の16%で見積もり、給与所得控除と基礎控除48万円のみを反映した簡易モデルで、配偶者控除・扶養控除・復興特別所得税・住民税などは含みません。実際の税額は控除の有無や自治体差で前後します。正確な金額は国税庁の速算表や税理士にご確認ください。
出典・計算の根拠
- 国税庁 タックスアンサー No.2260「所得税の税率」(課税所得に応じた速算表:5%〜45%/控除額)。
- 国税庁 タックスアンサー No.1410「給与所得控除」(年収に応じた給与所得控除額・令和2年分以降)。
- N分N乗方式の計算手順(世帯課税所得 ÷ N → 速算表 → × N)。Nは「大人2人+子どもの人数」(参考サイト calculator.jp/money/nn 準拠)。
本ツールは社会保険料を世帯年収の16%で見積もる簡易モデルによる概算です。配偶者控除・扶養控除・各種所得控除・住民税・復興特別所得税は含みません。 N分N乗方式は日本の現行制度ではなく、実際の税額・制度導入時の税額とは異なる場合があります。具体的な税額は税理士・税務署にご確認ください。