在職老齢年金(60〜64歳)計算ツール
60歳以上65歳未満で、厚生年金に加入して働きながら老齢厚生年金を受け取ると、 給与・賞与の額に応じて年金の一部が止まることがあります。給与と年金額を入れるだけで、支給停止額と実際に受け取れる年金額をその場で概算します。
つまり:給与と年金の合計が基準額を超えているため、年金の一部 (月36,666円)が止まり、 実際に受け取れる年金は月63,334円になります。 停止されるのは厚生年金部分だけで、老齢基礎年金(国民年金)は対象外です。
くわしい計算の内訳(参考)
| 標準報酬月額 | 400,000 円 |
|---|---|
| 賞与の月割り(直近1年の賞与 ÷ 12) | 83,333 円 |
| 総報酬月額相当額(月給 + 賞与の月割り) | 483,333 円 |
| 老齢厚生年金の基本月額 | 100,000 円 |
| 合計(判定に使う額)(総報酬月額相当額 + 基本月額) | 583,333 円 |
| 支給停止調整額(基準額) | 510,000 円 |
| 支給停止額(月額)(合計 − 基準額)÷ 2 | 36,666 円 |
| 受け取れる年金(月額) | 63,334 円 |
| 受け取れる年金(年額の目安) | 760,008 円 |
※ 概算です。実際の支給停止額は「標準報酬月額」「標準賞与額」の等級区分や、加給年金・経過的加算の扱い、 年度ごとの支給停止調整額の改定により前後します。停止の対象は老齢厚生年金(報酬比例部分)のみで、 老齢基礎年金は減額されません。正確な見込額は日本年金機構「ねんきんネット」や年金事務所でご確認ください。
給与別「支給停止額・受け取れる年金」早見表(概算)
老齢厚生年金の基本月額を10万円、支給停止調整額を51万円(令和7年度)と仮定したときの目安です。 「総報酬月額相当額」は、月給に直近1年の賞与を12で割った額を足したものです。
| 総報酬月額相当額 | 毎月止まる額(支給停止額) | 受け取れる年金(月額) |
|---|---|---|
| 300,000円 | 0円 | 100,000円 |
| 400,000円 | 0円 | 100,000円 |
| 450,000円 | 20,000円 | 80,000円 |
| 500,000円 | 45,000円 | 55,000円 |
| 550,000円 | 70,000円 | 30,000円 |
| 600,000円 | 95,000円 | 5,000円 |
| 700,000円 | 100,000円 | 0円 |
※ 概算。基本月額10万円・基準額51万円・賞与なしの前提です。基本月額や年度の基準額が変わると結果も変わります。
計算の仕組み
在職老齢年金では、まず総報酬月額相当額を求めます。これは 「その月の標準報酬月額(月給の目安)+ 直近1年間の賞与の合計 ÷ 12」です。 これに老齢厚生年金の基本月額(加給年金を除いた報酬比例部分)を足し、年度ごとの支給停止調整額と比べます。
支給停止額の式
- 合計が基準額以下のとき:年金は全額支給(停止なし)。
- 合計が基準額を超えるとき:支給停止額(月額)=(総報酬月額相当額 + 基本月額 − 支給停止調整額)÷ 2。
- 実際に受け取れる年金月額 = 基本月額 − 支給停止額(0円が下限)。
止まるのは厚生年金部分だけ
支給停止の対象は老齢厚生年金(報酬比例部分)のみです。 老齢基礎年金(国民年金)は給与がいくら高くても減額されません。 また、加給年金は本体の老齢厚生年金が全額停止されると支給されなくなる点にも注意が必要です。
2022年(令和4年)の改正
かつて60〜64歳には「28万円」というより低い基準が使われ、働くと年金が止まりやすい仕組みでした。 2022年4月の改正で、60〜64歳の基準は65歳以上と同じ(現在は年度ごとに改定される金額)に一本化され、 働きながらでも年金を受け取りやすくなりました。
よくある質問
- 在職老齢年金とは何ですか?
- 厚生年金に加入して働きながら老齢厚生年金を受け取るとき、給与・賞与の額に応じて年金の一部または全部が支給停止になる仕組みです。2022年(令和4年)4月の改正で、60〜64歳の停止基準は65歳以上と同じ基準に一本化されました。止まるのは老齢厚生年金(報酬比例部分)だけで、老齢基礎年金(国民年金)は減額されません。
- どのくらい働くと年金が止まりますか?
- 「総報酬月額相当額(給与の月額+直近1年の賞与÷12)+ 老齢厚生年金の基本月額」が、その年度の支給停止調整額(2025年度=令和7年度は51万円)を超えると、超えた分の半額が止まります。たとえば合計が55万円なら(55万−51万)÷2=2万円が毎月の停止額です。
- 支給停止調整額は毎年変わりますか?
- はい。賃金の変動に合わせて年度ごとに改定されます。令和6年度(2024年度)は50万円、令和7年度(2025年度)は51万円です。本ツールは基準額を入力で変更できるので、対象となる年度の金額を入れてご利用ください。
- 年金が止まった分は後で戻りますか?
- 支給停止された分は、退職や賃金の低下で停止が解除されれば、その後は本来の年金額に戻ります。ただし停止されていた期間の年金がさかのぼって支払われるわけではありません。働き方によって受け取り総額が変わるため、目安として本ツールで試算してください。
出典・計算の根拠
- 日本年金機構「在職中の年金(在職老齢年金制度)」=総報酬月額相当額・基本月額・支給停止額の計算方法の定義。
- 日本年金機構「支給停止調整額」=年度ごとの基準額(令和6年度=50万円、令和7年度=51万円)。
- 厚生労働省「在職老齢年金制度の見直し(令和4年4月施行)」=60〜64歳の基準を65歳以上と一本化した改正の根拠。
本ツールの結果は概算です。標準報酬月額・標準賞与額の等級区分、加給年金・経過的加算の扱い、 年度ごとの基準額改定により実際の金額は前後します。正確な見込額は「ねんきんネット」や年金事務所でご確認ください。